静かな退職とは何か【2026年最新】所沢の若者に聞いたら、驚くほどリアルな話が出てきた

静かな退職 シニアの眼

「仕事、頑張るのやめたんですよね。もう2年くらい前から」

所沢駅の近くのカフェで、そう話してくれたのは25歳のAさん(製造業・正社員)でした。 声は穏やかで、表情も暗くない。むしろ、どこか晴れやかでした。

この記事は、所沢・狭山・入間などの西武沿線エリアで働く20〜30代の若者数名に話を聞いた内容をまとめたものです。

「静かな退職ってどういうこと?」「それって単なるサボりじゃないの?」——そんな疑問に、現場の声を通じてリアルに答えていきます。

静かな退職(Quiet Quitting)とは——まず基本を整理する

定義:辞めないまま「やめる」という選択

静かな退職(Quiet Quitting)とは、実際に職場を去るわけではなく、やりがいやキャリアアップを求めずに決められた仕事だけをこなす働き方のことです。

この言葉は2022年にアメリカのキャリアコーチ・ブライアン・クリーリーがTikTokで発信したのがきっかけで世界に広まりました。 日本でも年々浸透しており、いまや「知っている」というより「やっている」人が多数派になりつつあります。

2026年最新データ——正社員の約半数が実践中

マイナビが2026年4月に発表した最新調査(2025年実績)によると、

  • 正社員全体の 46.7% が静かな退職をしていると回答(前年比+2.2pt)
  • 20代では50.5%、30代でも49.1%と、若手の約2人に1人が実践中
  • 静かな退職をしている人の 73.7% が「今後も続けたい」と回答

この数字を聞かせたら、Aさんは「そうですよね、周りもみんなそんな感じですよ」と笑いました。

所沢の若者はこう語った——静かな退職、それぞれの理由

今回、所沢・入間・飯能エリアで知り合った20代〜30代前半の若者数名に話を聞きました。 業種は製造業、小売、IT系と様々です。

Aさん(25歳・製造業・所沢勤務)

「最初はめちゃくちゃ頑張ってたんです。残業もして、提案もして。でも評価が変わらなかった。先輩に聞いたら『若いうちは評価されないもんだよ』って言われて、なんか、スッと冷めちゃいました」

Aさんが静かな退職を始めたのは、入社2年目の秋。 定時になったらパソコンを閉じる——それだけを意識的に続けたと言います。

「最初の1ヶ月は帰り際に罪悪感がすごかったです。でも、誰も何も言わなかった。それはそれで複雑な気持ちでしたけど」

Bさん(28歳・小売業・入間勤務)

「私は会社が嫌いなわけじゃないんです。ただ、仕事に全部持っていかれたくないだけで」

Bさんの口ぶりは冷静で、論理的でした。

「手を抜いてるとか、サボってるとかじゃなくて、契約した分だけちゃんとやるっていうことだと思ってて。それ以上でも以下でもない、みたいな」

休日は地域のバスケのサークルに参加していて、そっちのほうが「生きてる感じがする」と話していました。

Cさん(31歳・IT系・所沢勤務・リモートワーク中心)

「リモートになってから、仕事の境界線が崩れて、逆にしんどくなったんですよね。 それで意識して『ここまでしかやらない』って決めるようになりました。静かな退職って言葉、後から知ったんですけど、あ、これか、と思って」

Cさんは副業でWebデザインの仕事も受けていて、「会社の仕事は生活費、好きな仕事は副業でやる」という二軸で働いていると話してくれました。

静かな退職をしている人の「4タイプ」——あなたはどれ?

マイナビの調査では、静かな退職を選んだきっかけを以下の4タイプに分類しています。

タイプ内容割合
D 無関心タイプそもそも仕事に熱意がない20.6%
C 損得重視タイプ頑張っても報われないと判断18.8%
B 評価不満タイプ努力が正当に評価されない17.0%
A 不一致タイプ仕事の価値観が合わない16.0%

話を聞いた3人では、Aさんは「B 評価不満タイプ」、Bさんは「A 不一致タイプ」、Cさんは「C 損得重視タイプ」に近いと感じました。

「無関心タイプ(最多の20.6%)が一番多い」という点が、個人的には刺さりました。 やる気を燃やした経験さえなく、最初から冷めている——そういう人が最多であるということは、入口のところで何かが詰まっているということかもしれません。

実践してわかったメリット——3人の口から出た共通点

① 「時間」が戻ってくる

3人全員が口を揃えたのが「時間が生まれた」でした。

Aさんは読書と映画鑑賞、Bさんはバスケのサークル、CさんはWebデザインの副業——それぞれ定時後の時間の使い方は違いますが、**「仕事以外のところで充実感を得ている」**という点は共通していました。

Bさんはこう言っていました。 「前は帰っても疲れてSNS見るだけで終わってたんですよ。今はちゃんと生活してる感じがします」

② 仕事の集中度が上がった

Cさんが話してくれた「意外な発見」です。

「残業しなくなってから、逆に仕事が速くなったんですよね。時間が有限だと思うと、ダラダラやらなくなるんです。前は定時過ぎてもぼんやり席に座ってることがよくあって、あれは何だったんだろうと思います」

③ 自己評価の軸が変わった

Aさんが静かな退職を始めて一番変わったのは、「評価されたい欲が薄れた」ことだと言います。

「会社での評価って、正直コントロールできない部分が多いじゃないですか。 そこに全力を注ぐより、自分でコントロールできることに集中しようと思ったら、なんか楽になりました」

本音のデメリットも聞いた——罪悪感とキャリアの話

「罪悪感は最初だけじゃなかった」(Aさん)

「正直に言うと、今でも罪悪感はゼロじゃないです。 残業している先輩を横目に帰るとき、ちょっと胸が痛い。 でもそれを感じるのは自分がまだ真面目だからだと思うようにしました」

「昇進は明らかに遅くなった」(Bさん)

Bさんは静かな退職を始めた翌年、同期が1名昇格したと話してくれました。

「焦りは正直あったけど、その人が管理職になって激務になっているのを見て、なんとも言えない気持ちになりましたね。どっちが正解かは、まだわからないです

「不本意にやらされてる感じがあった時期もあった」(Cさん)

興味深かったのがCさんの話です。

「最初は自分で選んでたつもりだったんですよ。でも途中で、これって自分が選んでるのか、会社の仕組みに追い込まれてるのか、わからなくなった時期があって」

マイナビの調査でも、約4割の企業で「異動や転勤は会社の指示が強い」傾向があると判明しています。 自分の意志でやっているのか、環境に流されているのか——この違いを自覚することが大事だと、Cさんの話を聞いて改めて思いました。

「逃げ」なのか「選択」なのか——3人に聞いた

最後に、ストレートに聞いてみました。 「静かな退職って、逃げだと思いますか?」

Aさん:「逃げとは思わないですね。ただ、これが永久に続くとも思ってない。今は充電期間だと思ってます」

Bさん:「そもそも、なんで全力じゃないといけないのかが疑問で。契約した分ちゃんとやってる、それで十分じゃないですか

Cさん:「逃げっていう言い方が面白いですよね。何から逃げてるんだろうって思います。会社の期待から? でも、その期待って誰が決めたんですかっていう」

3人とも、自分の選択に対してそれなりに考えた末に今の形に落ち着いていることが、話していてよく伝わりました。

ちなみに、マイナビの調査では企業の中途採用担当者の4割以上が「静かな退職に賛成」と回答しています。 「そういう社員も必要」「人それぞれ」というのが主な理由です。

現場の感覚と、採用側の受け止め方が意外と近いことに、少し驚きました。

よくある質問(FAQ)

Q1. 静かな退職はバレますか?

A. 仕事の成果がきちんと出ていれば、すぐにバレることは少ないです。 ただし「残業しない=やる気がない」と見なす職場文化の場合は目立つことがあります。 Aさんも「誰も何も言わなかった」と話しており、意外と周囲は見ていないケースも多いようです。

Q2. 副業と組み合わせることはできますか?

A. Cさんのように「会社の仕事+副業」という二軸にしている人は少なくありません。 ただし会社の就業規則を必ず確認してください。副業禁止の規定がある場合はルール違反になります。

Q3. うつ病や適応障害との違いは何ですか?

A. 静かな退職は「意図的な働き方の選択」ですが、うつや適応障害は「心身の疾患」です。 「職場に行きたくない」「何もやる気が出ない」という感覚が長期間続く場合は、静かな退職として括らずに産業医や専門家への相談を優先してください。

Q4. 20代でやっていいのか不安です

A. 今回話を聞いた3人全員が20代〜30代前半でした。 キャリアへの影響がゼロとは言えませんが、「燃え尽きるリスク」と「ペースを落として自分を守るリスク」のどちらを取るか、自分で考えることが大切です。

Q5. いつやめるか、どう判断すればいいですか?

A. Aさんは「充電期間が終わったと感じたとき」と言っていました。 副業が軌道に乗る、転職先が見つかる、職場環境が変わる——何か外的な変化がきっかけになることが多いようです。

シニア60代の私が感じた、埋まらない「温度差」

正直に書きます。

3人の話を聞き終えたとき、私の中にあったのは共感よりも先に、小さな違和感でした。

私が社会人になったのは1980年代のことです。 当時は「会社のために働く」ことが当たり前で、残業は美徳、休日出勤は忠誠心の証しとさえ言われていました。 上司に言われたことは疑わずやる。成果より姿勢を見せる。そういう空気が職場に満ちていた時代でした。

だから最初、Bさんの「契約した分だけちゃんとやる。それ以上でも以下でもない」という言葉を聞いたとき、どこかザラっとしたものを感じたのです。

「それって、冷たくないか?」と。

ただ、帰りの西武線の中でぼんやり考えていて、気づいたことがあります。

私たちの世代が「会社のために全力を尽くす」ことを疑わなかったのは、そうすれば報われる時代だったからではないか——と。

終身雇用があり、年功序列があり、頑張り続ければいつか昇進できるという見通しがあった。 だから「今は我慢して全力を出す」ことに、合理性があったのです。

では今の20代はどうか。 Aさんが言っていた「評価が変わらなかった」という言葉が、改めて刺さりました。 頑張っても報われない構造の中で、それでも全力を出し続けることに、果たして意味はあるのか。

若者たちが「静かな退職」を選ぶのは、怠けているからではなく、環境の変化への、ひとつの合理的な適応なのかもしれません。

とはいえ、すべてに納得したわけでもありません。

仕事を通じて得られる「偶然の出会い」や「予期しない成長」は、全力で飛び込んでいなければ生まれなかった——そういう経験が、私には確かにあります。 効率だけでは測れない何かが、仕事の中にある、とも思っています。

ただそれは、私の時代の話であって、今の若者に「同じようにしろ」と言う気にはなれませんでした。

時代が変われば、正解も変わる。

そんな当たり前のことを、所沢のカフェで25歳のAさんに教えてもらった気がします。

まとめ:所沢の若者が教えてくれたこと

所沢・入間・飯能エリアで働く20代〜30代に話を聞いて感じたのは、 「静かな退職」は、決して怠け者のすることではないということです。

むしろ3人とも、一度は全力で頑張って、何らかの形で「これは違う」と感じた経験を持っていました。

  • 仕事は人生の一部であり、すべてではない
  • 「決められた仕事をきちんとやる」は、最低限の責務を果たしている
  • 自分の意志でやっているのか、流されているのかを定期的に確認する

2026年現在、正社員の約半数が実践しているという事実は、働き方の多様化が静かに、しかし着実に進んでいることを示しています。

この記事が、あなたの働き方を見直すきっかけになれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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最終更新:2026年4月 参考:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)」、Great Place To Work® Institute Japan「静かな退職に関する調査2025年」

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